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故事成語の世界へようこそ (四十五) 烏兎匆匆(うとそうそう)

今年の干支は兎ということで、今回は兎に関する表現を一つご紹介したいと思います。

 

皆さんは「月に兎が住んでいる」という伝説を聞いたことがありますか?

日本だけでなく、中国やインドにも古くから月には兎がいるというお話が語られてきたようです。

月の兎は中国や日本では「玉兎(ぎょくと)」と呼ばれてきました。

 

また、太陽には烏(カラス)がいるという伝説も古くからあるようです。

三本足の烏と言うと、思い当たる人もいそうですね。

こちらは玉兎に対して「金烏(きんう)」と呼ばれています。

 

月の玉兎と太陽の金烏、合わせて「金烏玉兎(きんうぎょくと)」といいますが、

これが「太陽と月」を意味し、そこから転じて「月日・歳月」の意味で使われるようになっていきました。

金烏玉兎を縮めて「烏兎(うと)」とも言い、こちらも同様に「月日・歳月」を意味します。

 

そして、「匆匆(そうそう)」は「忙しいさま、慌ただしい様子」を表す語句です。

烏兎と匆匆を合わせたのが「烏兎匆匆(うとそうそう)」。

月日が経つのが早い様子を表しています。

似た意味の表現としては、「歳月人を待たず」「光陰矢の如し(こういんやのごとし)」などがありますので、合わせて覚えておきたいですね。

 

 

本日の故事成語:烏兎匆匆…月日が経つのが早い様子。歳月があわただしく過ぎ去るたとえ。

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