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2040年「理工系100万人不足」時代をどう生きる? 私立大学重点支援と学びのチャンスを読み解く

2025年6月、文部科学省の有識者会議は「2040年に理工系技術者が
100万人以上不足する」
というショッキングな推計を公表しました。
同時に国は、私立大学を中心に総額3,002億円の大型基金を創設し、
理工系学部を思い切って強化すると宣言。
今回のコラムでは「理工系不足はなぜ起こるのか」「私立大学重点支援は何を変えるのか」、
そして中高生が今できる準備をわかりやすく整理します。

1. 100万人不足の背景 ― 文系偏重と産業構造の急変

現在、日本の大学生のうち理工系は17%。OECD平均27%を大きく下回ります。
IT化・AI化が進むほど理系人材の需要は急上昇する一方、
事務・販売職などは自動化で縮小し、文系30万人が職に就けないという試算も。
つまり「理系は足りず、文系は余る」というミスマッチが
2040年には顕在化すると見込まれています。

2. 3,002億円基金で何が強化される?

  • 学部再編支援… AI・半導体・バイオなど成長分野へ転換する大学を後押し
  • 高度IT人材の確保… 新しい教員雇用や研究設備の整備費を補助
  • 私学助成の配分見直し… 理工農系学部の補助単価を段階的に引き上げ
  • 東京23区の定員規制を緩和… 理工系に限り定員増を認め、都市部の需要に対応

3. 経済支援と学習環境が大きく変わる

修学支援新制度は世帯年収600万円程度まで対象を拡大。
私立理工系では年間約23万円の学費減免が受けられます。
さらに給付型奨学金(月最大4万円)や企業奨学金も拡充中。

校内では最新の実験機器・高速ネットワークが整い、AI演習や産学連携プロジェクト
当たり前になる見通しです。

4. AI時代でも活きる4つの力

  • 数理・データの読み解き力
  • プログラミングと設計力
  • 英語で発信し合う力
  • 課題を見つけ、仲間と解決する力

これらは文科省が示す「Society5.0 人材像」でも重視されています。

5. 中高生へのアドバイス

  1. 数学・理科の基礎固め… 教科書の例題を「説明できる」まで繰り返す
  2. プログラミングに触れる… 無料のPython教材やロボットキットで実践
  3. 探究テーマを1つ持つ… 地域や学校の課題をデータで調べ、発表してみる

6. 文系でも活かせる“理系シフト”の道

経済・法律・デザインなど文系の強みはそのまま、
データ分析やAIの副専攻を加えればビジネスと技術をつなぐ人材に。
大学や企業のリスキリング講座を積極的に活用しましょう。

理工系100万人不足は危機であると同時に、チャンスでもあります。
私立大学への大型支援によって、学びやすさと設備は大きく向上。
今こそ「理系に挑戦」「文理をかけ合わせる」行動を起こし、
2040年の日本を支える一員になりましょう。

【参照リンク】
・毎日新聞(2025/06/18)

2040年に理工系技術者が100万人不足と推計 私大を重点支援へ

・文科省 私立大学の在り方検討会議 議事録

https://www.mext.go.jp/…

・私立大学連盟 理工農系分野充実への提言

PDF

・内閣官房 2040年産業・就業構造推計

PDF

・Society5.0 時代の人材像(文科省)

PDF

※掲載リンクには有効期限がある場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。


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担当)プロ教師 近江直樹

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