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東北大学ゲートウェイカレッジ─学部を決めずに入学する新しい学び

東北大学は2025年10月、2027年4月に「ゲートウェイカレッジ」を創設し、約 180 名を募集すると発表しました。入学時に学部を決めず、1〜2年次に幅広く学んでから3年次以降に専門を選択できる「レイトスペシャリゼーション」(専門決定の先送り)が特徴です。授業は原則英語で行われ、日本人学生と外国人留学生が概ね半数ずつという国際共修環境で学びます。「やりたいことが決まらない」「文理の枠を超えて学びたい」というお子さんにとって、新しい選択肢となります。

今回わかったこと──3つの特徴

東北大学は2024年11月、日本で初めて「国際卓越研究大学」に認定されました。10兆円規模の大学ファンド(国の支援制度)から支援を受け、世界トップレベルの研究大学を目指す改革の一環として、ゲートウェイカレッジが創設されます。

特徴①:レイトスペシャリゼーション

入学時に学部や学科を決めず、1〜2年次に人文・社会科学、自然科学、工学など幅広い分野を学びます。その後、3年次以降に自分の関心と適性に合った専門分野を選択します。「高校生のうちに将来を決めきれない」「大学で学びながら進路を考えたい」というお子さんに適した仕組みです。また、入学時から希望する分野がある場合は、その分野を中心に学べるカリキュラムも用意されます。

特徴②:国際共修環境

定員約 180 名のうち、日本人学生約 100 名、外国人留学生約 80 名を募集する計画です。授業は原則として英語で行われ、入学後最初の半年間は集中的な英語イマージョン教育を実施します。これにより、英語での思考力・表現力を飛躍的に向上させ、その後の専門科目も英語でスムーズに学べるようになります。PBL(課題解決型学習)などを通じて、多様な文化背景をもつ学生と協働し、グローバルな視点を養います。

特徴③:学部から博士までの一貫教育

2027年に同時設置予定の「高等大学院」と連携し、学部から修士・博士課程までの一貫した学びのフローを提供します。将来のキャリアパス(研究者、企業、国際機関など)を見据えながら、高度な専門性と研究能力を体系的に身につけられます。博士課程進学者には経済的支援やキャリア支援も充実させる方針です。

全国や他大学の動き──文理融合の新学部

東北大学以外にも、複数の国立大学が文理融合型の新しい教育組織を創設しています。従来の学部の枠を超えた学びを提供する動きが、全国的に加速しています。

大学名 新組織名 特徴
東京大学 カレッジ・オブ・デザイン 2027年秋開設予定、学部4年+修士1年の5年一貫教育
東北大学 ゲートウェイカレッジ 2027年4月開設予定、レイトスペシャリゼーション、英語授業
一橋大学 5年一貫プログラム 既に実施中、成績優秀者向け学部・修士一貫教育
慶應義塾大学 5年一貫プログラム 既に実施中、学部と大学院を一体的に運用

制度がもたらす変化と家庭の視点

従来は「理系か文系か」「どの学部か」を高校時点で決める必要がありました。ゲートウェイカレッジでは、入学後に幅広く学んでから専門を決められるため、お子さんの可能性を狭めずに済みます。「やりたいことが見つからない」と悩むお子さんにとって、大きな選択肢となります。

英語力の準備

授業が原則英語のため、入学前の英語学習が重要です。ただし、入学後半年間の集中教育で飛躍的に向上させる設計のため、「英語が苦手だから無理」と諦める必要はありません。大学側も入学時の英語力にばらつきがあることを想定しています。

学費と生活費

学費は通常の東北大学と同額と想定されます(国立大学標準額:入学金 28 万円、年間授業料 54 万円)。ただし、海外研修やフィールドワークの費用が別途必要になる可能性があります。詳細は今後公表される予定です。東北大学は仙台市にあり、生活費は東京圏より抑えられる傾向にあります。大学周辺は学生向けの賃貸物件が豊富で、学生寮も整備されています。

入試について

2027年度入試の詳細は、決定し次第、東北大学公式サイトで公表されます。「学部を定めない新しい選抜制度」とされており、従来の学部別入試とは異なる方式になる見込みです。総合型選抜や国際バカロレア入試など、多様な評価方法が導入される可能性があります。

家庭でできること

今日から始められる準備と工夫を整理しました。

  • お子さんと「何を学びたいか」「将来どんな仕事に就きたいか」を対話する時間をつくる。まだ決まっていなくても、一緒に考えるプロセスが大切です。
  • 東北大学公式サイト(https://tu-gwc.tohoku.ac.jp/)をブックマークし、入試情報の更新を定期的に確認してください。
  • 英語学習を継続し、特に「英語で考え、発信する」練習(英作文、スピーチ、ディスカッション)を取り入れましょう。
  • オープンキャンパスや説明会(2026年度実施予定)に参加し、実際のカリキュラムや雰囲気を確認してください。
  • 東北大学のTHE日本大学ランキング1位(5年連続)など、教育力・研究力の実績を把握し、進学先としての安心材料を確認しましょう。

ゲートウェイカレッジは、「入学時に専門を決めきれない」を強みに変える新しい教育モデルです。高校生のうちに将来を確定させるのではなく、大学で幅広く学び、世界中の学生と切磋琢磨する中で、真に自分に合った道を見つけられます。2027年度入試まで時間は限られていますが、今から情報収集と対話を始めれば、お子さんにとって最適な進路選択ができます。まずは今日、お子さんと「大学で何を学びたいか」を話してみてください。

📚 参考リンク

※リンク先は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

◎『KATEKYO学院・山形県家庭教師協会』では、東北大学をはじめとする難関大学への進学指導に豊富な実績があります。ゲートウェイカレッジのような新しい入試制度にも対応し、お子さんの英語力強化から、総合型選抜・国際バカロレア入試対策まで、プロ教師が個別にサポートいたします。無料相談も随時受付中です。

担当:プロ教師 近江直樹

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