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“憧れの職業”はなぜ揺らぐのか―看護師不足と進路選択の新しい現実
「将来は看護師になりたい」――かつては安定した人気を誇った職業に、今、大きな変化が起きています。お子さまの進路を考える中で、「医療系は安心」と感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、山形のご家庭でも、最近は「本当に看護の道でよいのか」と迷う声が増えています。背景には、看護師不足と同時に“なり手不足”という、これまでにない課題が広がっているのです。
なぜ看護の道を選ぶ人が減っているのか
現在、看護師の有効求人倍率は約2.5倍とされ、1人に対して複数の医療機関が求人を出す「売り手市場」です。それにもかかわらず、看護学校では定員割れが相次いでいます。Yahoo!ニュース:看護学校定員割れの実態でも、地域によっては充足率が25%という深刻な状況が報じられています。
この背景には「認知的不協和(理想と現実のギャップによる心理的負担)」があります。看護師は“人を助けるやりがいのある仕事”として認識される一方で、実際には長時間労働や責任の重さといった現実も知られるようになりました。情報が可視化された現代では、このギャップを早い段階で感じ、進路選択から外す生徒が増えているのです。
もう一つの要因―「大学志向」とキャリア意識の変化
近年、看護師を目指す場合でも「大学進学」が主流になりつつあります。文部科学省の統計によれば、看護系大学は1990年代から大幅に増加し、現在では300校以上に拡大しています。これは「人的資本理論(将来の収入やキャリアを見据えて教育投資を選ぶ考え方)」に基づく合理的な選択といえます。
つまり、生徒たちは「資格が取れるか」だけでなく、「どのようなキャリアが築けるか」を重視するようになっているのです。その結果、専門学校や准看護学校は選ばれにくくなり、定員割れが進んでいます。
さらに少子化の影響も重なり、そもそもの進学人口が減少していることも見逃せません。厚生労働省も看護人材の確保を重要課題としており、制度面の見直しが進められています。
保護者ができる進路サポートのポイント
- 「職業イメージ」だけで判断させない:仕事内容や働き方を具体的に調べる(例:1日の勤務スケジュールを一緒に確認)
- 複数の進路ルートを提示する:大学・専門学校・資格取得ルートの違いを比較する
- 体験機会を増やす:医療系のオープンキャンパスや職業体験に参加する
- 価値観を言語化する:安定・やりがい・収入など、何を重視するかを親子で話し合う
まとめ
看護師は今も社会に不可欠な職業であることに変わりはありません。しかし、その道の選び方や求められる資質は、確実に変化しています。大切なのは、「人気だから」ではなく、お子さま自身の価値観と将来像に合った選択を支えることです。迷いがあるときこそ、情報を整理し、対話を重ねていきましょう。必要に応じて、私たちKATEKYOも進路選択の伴走者としてお力になれれば幸いです。
参考資料
KATEKYO学院・山形県家庭教師協会 プロ教師 近江 直樹
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