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故事成語の世界へようこそ ②蛇足
今日は前回も出てきた「蛇足」についてお話しましょう。
【蛇足誕生秘話】
■よし、今日はみんなで蛇を描こう
昔、楚という国に神官がいました。その人はある日、使用人たちに酒を与えるのですね。
しかし、その酒は使用人みんなで分けて飲むには少ない。
それでも一人で飲むなら十分な量でした。
そこで使用人たちは考えます。
「地面に蛇の絵を書いて、最初に描き終えた人が酒を飲めることにしよう!」と。
(これ、なぜ蛇だったのでしょうね?謎です。)
そしてそれぞれが蛇の絵を地面に描き始め、しばらくしてある人が絵を描き終えました。
その人は酒の入った容器をつかんで、今にも飲もうとします。
ずいぶん気の早い人ですね。
■暇だから足も描いちゃおうかな
しかし、一番に蛇を描きあげた男は、他の人がまだ蛇の絵を描き終わらない様子を見て、同時にこう言ってしまうのです。
「俺はこれ(蛇)の足を描くくらい余裕があるぞ!(ドヤ顔)」と…。
蛇足のお話を知らなかった人でも、もう分かりましたよね。
つまり、彼はやってしまった訳です。
男が蛇の足を描き終わらないうちに、別の人が蛇の絵を描きあげました。
その(二番目に蛇の絵を描き終えた)人は、男が持っていた酒を奪い取ってこう言いました。
「蛇には元から足はない。お前はどうやって蛇の足を描くというのか。いや、描けはしない。」と。
そしてそのまま酒を飲んでしまいました。
最初に蛇の絵を描き終えた男は、ついに酒を飲めずに終わってしまいました。
■それ、あっても無駄!
この故事から、「あっても利益にならない無駄なもの」という蛇足の意味が生まれたわけです。
余計なこと(蛇足)をしようとしたために酒を飲み損ねてしまった男のお話でした。
蛇足は現代の日本語でも使われています。
興味のある方はぜひ辞書で例文なども調べてみてくださいね。
それでは今回はこの辺りで。次回もまた別の故事成語をご紹介したいと思います。
★本日の故事成語:蛇足… あっても益のない余計な物事。あっても無駄になるもの。
プロ家庭教師:細谷(米沢)
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