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故事成語の世界(十一)『守株』[中学生-国語]

第十一回:「守株」

 

火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!

今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^-^)

 

第十回:「圧巻」はこちら

故事成語の世界~総集編(壱)はこちら

 

今回は守株(しゅしゅ)という故事成語をご紹介します。
この言葉を日本語らしく読むと、「株(かぶ)を守る」となります。
(漢文では、英語と同じように動詞が先に来るので、「守る株」ではないことに注意しましょう)


昔、中国に田を耕す人がいて、その田の中に切り株がありました。
ある日のことです。一匹の兎が走ってきて偶然その切り株にぶつかり、首を折って死んでしまいました。

田を耕していた人はその兎を全く苦労もせずに手に入れることとなりました。

 

それからというもの、彼は田を耕すことをやめ、日々その切り株を見守ることにしました。

来る日も来る日も彼は切り株を見守るだけ。
兎がまた再び切り株に当たってくれれば、自分は何もせずに獲物を手に入れられる。

そんな期待を胸に、彼は働きもせずに毎日を過ごしたのです。

 

しかし、男は二度と兎を得ることはできませんでした。


 

この故事は、一度楽して利益を得た人が、その体験を忘れることができずにそのことにこだわり続け、変わることができない様を描いています。
ここから、「守株」は「古い習慣にいつまでもこだわり続け、進歩のないこと」を意味する言葉となりました。

 

ちなみに、守株を題材にした日本の童謡がありますが、ご存じですか?

作詞 北原白秋、作曲 山田耕筰 という黄金コンビが生み出した「待ちぼうけ」という歌です。その歌詞には守株のお話が非常に良く表現されています。
興味のある方はぜひ検索してみて下さいね。
(なんと五番まであるそうです!)

 

 

★本日の故事成語:守株

…古い習慣にいつまでもこだわり続け、進歩のないこと。

 

 

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