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【コラム:山本】「勉強する意味」(2021.6.30)
「先生、何で勉強するんですか?」
これまで、何度も訊ねられた質問です。その度々に、様々な回答をしてきましたが、今日は、その中の1つを紹介します。
何で人間が宇宙に行くか? ~宇宙飛行士 野口聡一~
地上には色々問題があるよね。環境問題だったり、人権の問題だったり、それから経済の問題だったり、色々問題があるけれども、じゃあ、何で宇宙に行かなければならないのか?
僕はそういう時に一つの例え話をいつもします。皆さんは、自分がアリだと思ってください。
1本の線を引きます、地面に。まず最初に、線の上を前後だけにしか歩けない1次元アリさんだと思ってください。皆さんは線の上を前に行くか後ろに行くかしかできない、そういうアリさんなんです。そこに僕がぽっと石を置いたとします。そうすると1次元アリさんは前に行こうと思っても、その1次元アリさんは小石のせいで前に行けなくなっちゃいますよね。つまり世界の終わりなんですね。
そこに前後と左右に行ける2次元アリさんがやってきます。2次元アリさんはその小石を見て言います。「横に回って行けばいいじゃない。」そうして2次元アリさんは、その小石を超えてまた先に進むことができました。
そうして歩いて行くと今度は横方向にもず~っと繋がっている石の壁があったとします。2次元アリさんまた困っちゃいますね。前後に行っても左右に行ってもその壁の向こう側には行けなくなってしまう。2次元アリさんにとっては世界の終わりです。
どうしていいか分からない。そこに今度は、前後と左右と今度は上下にも行ける3次元アリさんがやってきた。3次元アリさんはこの壁を見て言います。「乗り越えればいいじゃない。」そうして3次元アリさんは、横にず~っと繋がっている壁を乗り越えて更に新しい世界に進むことができます。
この話で僕が言いたいことは、上から見る或いは下から見ると言った別の視点を持つことで新しい解決策に気が付くんじゃないかと…宇宙に人間が行くということは単に遠くの星に行くだけではなくて、地上で僕達が抱えている問題を新しい視点から見て解くことができるんじゃないかなぁと…それが本当に僕達が宇宙に行きたいって夢なんじゃないかなぁって思います。
【宇宙兄弟 第13話「3次元アリ」】より
私たちは、勉強を通して、新しい視点を見つける訓練をしているのではないか、ということを野口さんから学びました。
さぁ~皆さん!共に3次元アリさんになってみよう!!
プロ教師:山本一人
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