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故事成語の世界へようこそ(三十五)虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)

第三十五回:「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。

こちらのコーナーでは、今年も様々な故事成語を紹介していく予定です。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

さて。今年は寅年ということで、新年初めのご紹介は、虎に関する故事成語にしようと思います。

「虎」を含む故事成語は「虎視眈々(こしたんたん)」「虎の威を借る狐(←こちらは以前ご紹介しましたね)」など色々あるのですが、今回は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を選んでみました。読みは、「こけつにいらずんばこじをえず」となります。

 

 

子荊は武子にすぐさまこう切り返しました。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の出典はかの有名な『後漢書』です。

その「東夷伝」には倭国(=日本)の記述があることを、轢死で習ったかと思います。

虎穴に入らざれば虎子を得ず。

直訳すると、「虎の巣穴に入らなければ、虎の子を得ることはできない」。

虎は我が子を非常に大事に守り育てるので、「虎の子」といえば「非常に大切にしているもの。宝物」を指します。

そのため、虎の子を得ることは、大きなものを手に入れること、成功することを例えていることになるのです。

これらをふまえると、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは、「虎の巣穴に入っていくような危険を冒さなければ、虎の子を得るような大きな成功は得られない」という意味になりそうですね。

 

昔、中国にいたある将軍が、重要な司令を受けて作戦を遂行していました。

もう少しで作戦成功かと思われた時のこと。

敵の出現によって作戦の遂行はおろか、自分たちの命まで危ぶまれる事態となってしまいます。

そんな状況下で怖気づく部下達に対して将軍が放った言葉が、

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」です。

将軍はこの言葉によって、部下達の気持ちを奮い立たせ、

見事敵を打ち破り、作戦を成功に導くことができたのでした。

 

 

このように、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、

「リスクはあるけれども、そのリスクを取らなければ大きい成功もない」

というような場面で用いられます。

寅年の今年、皆さんも失敗を恐れずにぜひ様々なことにチャレンジしてみて下さいね。

 

本日の故事成語:虎穴に入らずんば虎子を得ず…危険を冒さなければ大きな成功は得られないことのたとえ。

 

 

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