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故事成語の世界へようこそ(二十七)孟母三遷(もうぼさんせん)

第二十七回:「孟母三遷(もうぼさんせん)

 

 

 

今月は、「孟母三遷」という故事成語をご紹介します。

孟母とは、儒学者であった孟子(もうし)の母を指します。

孟子の母は我が子孟子の教育についてとても熱心に考える人でした。

 

 

 

孟子は幼い頃、墓地の近くに住んでいました。

そこに住んでいる頃、孟子は墓地で行われるお葬式を見て、いつもお葬式ごっこをして遊んでいました。

孟母はそれを見て、「ここ(墓地の近く)は、我が子が暮らすのには向いていない」と考え、

市場の近くに引っ越しました。

市場の近くに住むようになり、孟子は市場の商人たちの言動をまねて遊ぶようになりました。

すると、孟母はそれを見て、「ここ(市場の近く)も我が子が暮らすには向いていない」

と考え、再び引っ越すことにしました。

今度は学校の近くに引っ越しましたら、孟子は学校で教える礼儀作法をまねて遊ぶようになりました。

孟母はとうとう我が子が住むのにぴったりの場所を見つけたと考え、そこで長く暮らしました。

 

 

このエピソードでは、孟子の母は我が子孟子にふさわしい場所を求めて住む所を変えていきます。

このように、「人の教育にはその環境が大事であるということ」、または孟母のような「教育熱心な母親」のことを指して孟母三遷と言うようになりました。

孟母のエピソードは中国の漢の時代にまとめられた、女性の理想の生き方についての書物にもみられます。

古くから教育の重要性が認識されていたのですね。

 

 

 

今回登場した孟母についてのエピソードとしては、他にも「孟母断機(もうぼだんき)」があり、こちらも孟子の教育に対する母の考えを示すものとなっています。

興味のある方はぜひ調べてみてくださいね。

 

 

本日の故事成語:孟母三遷…子どもは周囲の影響を受けやすいため、子どもの置かれる環境が大事であるということ。または、教育熱心な母親のこと。

 

 

 

 

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