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故事成語の世界へようこそ (四十六) 石に立つ矢
国公立大学入試の前期日程も過ぎ、そろそろ公立高校の一般選抜がやってきますね。
今年は公立高受験の日は3月10日ではなく、3月7日となりました。
受験生の皆さんにがこれまで蓄えてきた力を存分に発揮できるよう応援しています。
さて、今回ご紹介する故事成語は、「石に立つ矢」です。
目にしたことのない人も多い故事かもしれないですね。
出典は『史記』という、中国は前漢の時代に編纂(へんさん)された歴史書です。
漢の時代に李広(りこう)という、武勇に優れた将軍がいました。
広の勇名は北方の匈奴(きょうど)にも届いており、広が守る土地には匈奴もあえて攻め込まなかったといいますから、よほど強かったのでしょうね。
そんな李広がある日狩りに出掛けました。
彼は草むらの中に虎を見て、矢を射かけます。
鏃(やじり)は虎に確かに刺さりました。
しかし広がその虎をよくよく見てみると、それはなんと石でした。
彼は石を虎と間違えて矢を放っていたのです。
石に矢が刺さったとはすごい話ですね。
ちなみに李広はその後改めて石に向かって矢を放ってみたものの、
今度は少しも刺さらなかったそうです。
このお話は「一心を込めてことを行えば、不可能なことはない」という例えとして用いられるようになりました。
同様の意味を持つ表現として「念力岩をもとおす」がありますので、
合わせて覚えておきたいですね。
本日の故事成語:石に立つ矢…一心を込めて事を行えば、不可能なことはないということの例え。
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