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小学校の授業時間短縮と教育の質向上
文部科学省は、小学校の授業時間を現在の45分から40分に短縮することを検討しています。この改定案は中央教育審議会に諮問され、2026年度中の実施を目指しています。今回の授業時間短縮案には、教育の質向上や教員の働き方改革などを目指した背景がありますが、一方で課題も残されています。
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授業時間短縮の背景
授業時間を短縮する背景には、現代の教育現場が直面する複数の課題があります。特に注目されているのは、教員の長時間労働の是正です。教員の多忙化が進む中で、授業時間を短縮し余裕を生み出すことで、指導の質を高める試みです。また、児童の学習意欲や集中力が多様化する中、短縮した時間を活用して、個別対応や特別活動に取り組むことで、子どもたち一人ひとりに寄り添う教育が期待されています。
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授業時間短縮のメリット
1.子どもたちの集中力維持
小学校低学年では特に、1コマの授業時間を短縮することで、集中力を切らさずに効率的な学びを実現できます。
2.個別指導の時間確保
授業後に空いた時間を活用し、学力差のある児童へのフォローや特別支援がしやすくなります。
3.教員の負担軽減
授業準備や評価業務に充てる時間を増やせるため、教員の働き方改革の一環として期待されています。
4.多様な教育活動の導入
総合学習や探究活動など、通常のカリキュラムでは不足しがちな活動に取り組む機会が増える可能性があります。
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授業時間短縮のデメリット
1.授業内容の圧縮
短縮によって1コマあたりの時間が減少するため、教員は授業内容を圧縮する必要があります。その結果、指導が駆け足になり、子どもたちの理解が追いつかないリスクがあります。
2.学力低下の懸念
授業時間が減ることで、全体の学習量が不足し、特に基礎科目(国語や算数)で学力低下が懸念されます。
3.活動時間の分散による混乱
空いた時間をどのように活用するかのルールが曖昧な場合、学校間での格差が生じる可能性があります。
4.教員の負担が実際には増加
短縮された時間を他の業務に振り分けた結果、かえって教員の負担が増える可能性も指摘されています。
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中学校への影響
小学校だけでなく、中学校でも授業時間を50分から45分に短縮する案が検討されています。中学校では教科数が多く、授業準備や試験作成にかかる教員の負担が特に大きいため、短縮案には一定の効果が期待されています。しかし、教科ごとの専門性が高いため、時間短縮が学びの深さにどのような影響を及ぼすかが課題となります。
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時間短縮は万能策ではない
授業時間の短縮は、子どもたちの集中力を保ち、教員の負担を軽減するなど、確かにメリットがあります。しかし、一方で、学習内容の圧縮や学力低下の懸念といったデメリットが存在するのも事実です。この取り組みが真に教育の質向上につながるかどうかは、時間短縮による「余剰時間」をどう活用するかにかかっています。
授業時間短縮はあくまで教育改革の一手段に過ぎず、その効果を最大化するためには、学校や地域ごとに柔軟かつ具体的な対応策を講じる必要があります。どのような選択肢が子どもたちと教員双方にとって最善なのか、引き続き丁寧な議論が求められるでしょう。今後も注目していく必要がありますね。
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