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教員の“私物スマホ持ち込み・撮影”が原則禁止へ——写真共有・連絡はどう変わる?

「先生のスマホで子どもを撮るのは、もう当たり前ではないの?」
この夏、一部の教職員による不適切な行為が報道されたことを受け、各地で教員の私用端末による撮影や、教室への持ち込みを原則禁じる動きが広がりました。文部科学省は 7 月に、私的端末で児童生徒を撮影しないことと、画像の学校外持ち出しをしないことを全国に通知。名古屋市や札幌市、北海道教育委員会も具体のルールを示しました。現時点(2025年10月)で、山形県教育委員会から私物スマホ持ち込みに関する明確な方針は公表されていません。しかし、全国的な動きを踏まえると、今後何らかの対応が検討される可能性があります。本稿では、保護者の生活に関わる「変わる点」と「今日からの準備」を整理します。

何が変わる?——全国通知と自治体ルールの骨子

国通知は、教師個人のスマートフォン等で児童生徒を撮影しないこと、学校の端末で撮影しても管理職の許可なく学校外に持ち出さないことを徹底する内容です。続いて名古屋市は 7 月、教室など子どもが活動する場所への私用端末の持ち込みを原則禁止、私用端末での撮影禁止を各校に通知しました。札幌市も 8 月末に同趣旨を決定し、北海道教育委員会は 9 月に道立学校での持ち込み原則禁止と撮影禁止を通知しています(校長許可が必要な例外を明記)。

教室の「当たり前」がこう変わる

これまで、運動会や実験の様子を先生の私物スマホで撮影→LINE などで共有、といった場面が見られました。今後は、学校管理のカメラ・公用端末のみで撮影し、データの保存・閲覧・持ち出しは校長や担当者の管理下で行う運用に集約されます。撮影や配布の手間が増えるため、写真販売の頻度や納期が見直される可能性があります。

保護者の生活で起きる“具体的な変化”と準備

〈写真・動画〉教員の私物端末では撮らないため、写真点数が減る/納期が遅くなることがあります。行事後の写真は学校経由の販売サイトや配布方法に一本化され、無断の二次配布(SNS掲載含む)に注意のアナウンスが増えます。

〈連絡〉個別のやり取りは、記録が残る学校の公式手段(メール・連絡サイト・配布文書)が原則に。夜間や休日の緊急連絡は学校の方針に従い、担任個人の SNS や私用番号への連絡は避けるのが基本となります。

〈授業・部活動〉フォームの提出や映像の共有は、公用端末・学校アカウントを通じて行われます。部活動の動画分析なども学校機材が中心となるため、再生環境や配布手順が変わることがあります。

場面 これまで これから 家庭の行動
行事の写真 先生の私物で撮影→即共有も 学校機材で撮影・校内で管理 配布手順の確認/SNSの再投稿を控える
連絡方法 担任とアプリ・SNSでやりとり 公式メール・学校サイトに一本化 受信設定・確認役割を家族で決める
部活動の動画 私物スマホで撮影・共有 学校端末・許可制で運用 視聴方法の案内を待ち、無断共有しない

よくある疑問Q&A——“禁止”は何のため?どこまで?

Q1:先生は一切撮影できなくなるの?——A:学校が管理する機材なら撮影可です。撮影目的・保存先・持ち出し方法を学校が定め、校長等の許可のもとで運用します。

Q2:家庭からの写真提供は?——A:学校の方針に従います。児童生徒が写る写真の扱いは慎重で、学校の依頼・承諾を前提にしてください。

Q3:なぜ今、厳格化?——A:不祥事を背景に、性暴力・盗撮の防止と情報管理の強化が急務となったためです。国のガイドライン改訂(2025 年 3 月)も、データの持ち出しやアクセス制御の厳格化を促しています。

今日からできるチェックリスト(家庭)

① 学校からの連絡手段(メール・配布文書・サイト)の受信設定を確認。② 行事写真は学校の案内に沿って購入・保存し、再投稿は控える。③ 緊急連絡の窓口(学校代表・学年)を家族で共有。④ 保護者会で、写真配布や動画視聴の方法を質問・確認。⑤ SNS の使い方を家庭内で再確認し、顔が映る投稿の可否を約束として明文化。

まとめ——「安全と信頼」を最優先に、段取りをそろえる

今回の方針は、先生だけでなく子どもを守る仕組みです。写真の数やスピードは落ちても、安全と記録の確かさは上がります。家庭は連絡の受け皿を整え、学校はルールと手順をわかりやすく示す。両輪がかみ合うほど、日常は落ち着き、学びに集中できます。

参照リンク(一次資料・公式)

教師の服務規律の確保の徹底等について(通知・2025/07/08)—私的端末での撮影抑制、画像の学校外持ち出し禁止の徹底(アクセス日:2025-10-08)

教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(改訂・2025/03/25)—情報資産の分類・持ち出し管理・アクセス制御(アクセス日:2025-10-08)

名古屋市教育委員会:私用端末の利用・写真等の取扱い(通知・2025/07/18)—教室等への持ち込み原則禁止、私用端末での撮影禁止(アクセス日:2025-10-08)

札幌市立清田緑小:保護者向け周知文(2025/09/01)—子どもの活動場所への私用端末持ち込み原則禁止(アクセス日:2025-10-08)

北海道教育委員会通知(転載・教総第1662号・2025/09/19)—盗撮防止の取組徹底、私用端末の扱い(アクセス日:2025-10-08)

※リンク先は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


◎『KATEKYO学院・山形県家庭教師協会』では、学校の新しい連絡・写真配布ルールに合わせた家庭の段取りづくりをお手伝いします。行事後の写真の扱い、SNS の安全な使い方、部活動の動画活用のしかたまで、実務に直結するアドバイスをご提供します。

担当:プロ教師 近江直樹

 

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