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2025年度大学入試の新潮流―推薦・総合型選抜が半数超え、進路選択の早期化が加速
2025年度の大学入試は、推薦・総合型選抜による進学者が半数を超えるなど、大きな転換期を迎えています。さらに、共通テストに新教科「情報」が追加され、一般選抜でも「安全校確保+挑戦校」という複線型の受験戦略が主流となっています。年内入試での進路確定率は53.4%に達し、受験生の満足度も9割を超えるなど、早期に進路を決める流れが定着しつつあります。この記事では、保護者の皆様が知っておくべき最新の入試動向と、お子さんの進路選択をサポートするポイントをお伝えします。
推薦・総合型選抜の大幅拡大
進学者の半数以上が「年内入試」で決定
2025年度入試では、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)の募集枠が大きく拡大し、進学者の半数以上が年内(12月まで)に進路を確定しています。これは、大学側が学力試験だけでなく、受験生の個性や意欲、地域への貢献意識などを重視する方針を強めているためです。
特に国公立大学でも推薦枠が増加しており、従来の「一般選抜一本」という戦略から、安全志向・複線型の受験戦略へとシフトが見られます。これにより、受験生は複数の選抜方式を組み合わせて、自分に最適な進路を選べるようになっています。
大学が求める「個性」と「地元定着」
推薦・総合型選抜の拡大背景には、大学側が学生の個性や主体性、地域への定着を重視していることがあります。面接や小論文、活動報告書などを通じて、受験生が大学で何を学びたいのか、将来どのように社会に貢献したいのかを評価する傾向が強まっています。
一般選抜の変化と受験戦略
「確保+チャレンジ」の複線型志望
共通テストの受験者数は微増している一方で、一般選抜による受験者は減少傾向にあります。これは、多くの受験生が推薦・総合型選抜で「安全校」を確保した上で、一般選抜で「挑戦校」を受験するという戦略を取っているためです。
この複線型の受験スタイルは、受験生の精神的な負担を軽減し、より納得のいく進路選択を可能にしています。実際、年内入試で進路を確定した受験生の満足度は9割を超えており、早期決定のメリットが実感されています。
共通テストの変化―新教科「情報」の追加
2025年度の共通テストから、新教科「情報」が必須科目として追加されました。これは、デジタル社会で求められる情報活用能力を評価するための大きな変更です。また、英語の配点がリーディング・リスニング各100点となるなど、試験形式も刷新されています。
「情報」の追加により、理系・文系を問わず、すべての受験生が情報技術の基礎を学ぶ必要が生じました。保護者の皆様も、お子さんが早い段階から情報科目の対策を進められるようサポートすることが重要です。
学部・系統別の人気動向
2025年度入試における学部・系統別の人気動向は以下の通りです:
- 文系学部:全体的に人気が上昇傾向。特に経済学部や経営学部への志望者が増加
- 医療・看護系:やや落ち着きを見せているものの、依然として高い人気を維持
- 情報系:新設学部・学科や定員増の影響で、競争が緩和傾向にあり、狙い目の分野
特に情報系学部は、社会的なニーズの高まりを受けて多くの大学が定員を増やしているため、以前ほどの高倍率ではなく、チャレンジしやすい状況となっています。
受験生の意識変化と満足度
年内入試での進路確定率53.4%
調査によると、年内入試による進路確定率は53.4%に達しています。これは、推薦・総合型選抜が受験生にとって現実的な選択肢として定着したことを示しています。
進路選択満足度9割超
年内入試で進路を決めた受験生の満足度は9割を超えており、早期に進路が決まることで、精神的な余裕が生まれ、入学前の準備や学習に集中できるというメリットが実感されています。
保護者が知っておくべきポイント
今後の大学入試において、保護者の皆様が押さえておくべきポイントは以下の通りです:
- 早期からの情報収集:推薦・総合型選抜は出願時期が早いため、高校2年生のうちから志望校の選抜方法を調べておくことが重要です
- 複線型の受験戦略:一つの選抜方式に絞らず、推薦・総合型と一般選抜を組み合わせた戦略を検討しましょう
- 活動実績の積み重ね:部活動、ボランティア、課外活動など、高校生活での経験が総合型選抜で評価されます
- 「情報」科目の対策:共通テストで必須となった「情報」の学習を早めに始めることが大切です
- 志望理由の明確化:なぜその大学・学部を選ぶのか、入学後に何を学びたいのかを、お子さんと一緒に考えましょう
家庭でできる準備
お子さんの進路選択をサポートするために、家庭でできることをまとめました:
- オープンキャンパスへの参加:実際にキャンパスを訪れ、大学の雰囲気を体感することで、志望理由が明確になります
- 定期的な進路相談:お子さんの興味や適性について、家族で話し合う時間を設けましょう
- 学習環境の整備:自宅での学習時間を確保し、集中できる環境を整えることが大切です
- 最新情報のチェック:大学の募集要項や入試制度は変更されることがあるため、定期的に確認しましょう
2025年度の大学入試は、多様な選抜方式と早期の進路決定が特徴です。お子さんの個性や適性を見極めながら、複数の選択肢を検討し、納得のいく進路選択ができるようサポートしていきましょう。早めの準備と情報収集が、成功への鍵となります。
📚 参考リンク
- ベネッセ「2025年度大学入試最新動向」(アクセス日:2025-11-12)
- 旺文社「2025年一般選抜の志願動向予測」(アクセス日:2025-11-12)
- リセマム「年内入試確定率53.4%」(アクセス日:2025-11-12)
- 東洋経済「令和の大学入試はこれまでと違う?」(アクセス日:2025-11-12)
※リンク先は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
◎『KATEKYO学院・山形県家庭教師協会』では、推薦・総合型選抜に向けた小論文指導や面接対策、一般選抜に向けた学力強化など、お子さんの志望校や選抜方式に合わせたサポートを行っています。「情報」科目の対策や、複線型受験戦略の立案についてもご相談を承っております。無料相談も随時受付中です。
担当:プロ教師 近江直樹
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