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【2025年問題】短大が消える? 山形の保護者が知っておくべき進路選択の「急激な変化」

最近、教育ニュースで「短期大学の募集停止」という話題を目にすることが増えていませんか? 実は今、日本の、そして山形の高等教育の景色が劇的に変わろうとしています。かつては女子生徒の進学先として主流だった短大が、急速に姿を消しつつあるのです。

結論から言うと、これまで通りの感覚で「とりあえず短大」と考えるのは危険な時代になりました。特に保育・栄養・介護分野を目指す場合、学校の経営状況を見極める視点が必要です。

なぜ今、短期大学が急減しているのか

1996年度には全国に約600校あった短期大学ですが、2025年度には約292校と、この30年で半減しています。さらに、2025年度からの3年間だけで約50校が募集停止(実質的な閉校)となる見通しです。

「女子は短大」という時代の終わり

大きな要因は、女子学生の「四年制大学志向」です。かつては短大卒業後に一般職として就職するルートが確立されていましたが、現在は男女問わず総合職採用が主流となり、企業側も四年制大学卒業を条件とすることが増えました。
実際、2024年度の四年制大学進学率は過去最高(59.1%)となった一方、短大進学率は過去最低の3.1%まで落ち込んでいます。

国の支援制度の厳格化

さらに追い打ちをかけたのが、国の政策変更です。定員割れが続く学校に対して、修学支援制度(学生への給付型奨学金など)の対象から外すという厳しいルールが2024年度から適用されました。これにより、経営が苦しい地方の短大ほど、存続が難しくなっているのです。

山形県への影響:保育士・栄養士不足の懸念

これは決して「東京の話」ではありません。山形県や東北地方にとっても深刻な問題を含んでいます。なぜなら、地方の短大はこれまで、地域を支える「エッセンシャルワーカー(保育士、幼稚園教諭、栄養士、介護福祉士)」を養成する重要な役割を担ってきたからです。

山形県内でも、保育士不足により育休が取りにくい職場環境や、施設の統廃合といった課題があります。もし県内や近隣県の短大が減れば、資格を取りたい高校生が県外の四年制大学へ流出し、そのまま戻ってこない(Uターンしない)というリスクが高まります。

保護者がチェックすべき3つのポイント

では、進路を考える際、保護者は何を意識すべきでしょうか。お子様が「早く資格を取って働きたいから短大がいい」と言ったとき、以下の表を参考に話し合ってみてください。

比較項目 短期大学 (2年) 四年制大学 (4年) 専門学校 (2〜3年)
主なメリット 早く社会に出られる
学費が大学より安い
教養も学べる
大卒資格が得られる
キャリアの幅が広い
じっくり学べる
職業直結の実践力
資格取得に特化
就職サポートが手厚い
注意点 (2025年版) 募集停止のリスク
進学先の選択肢減
学費総額が高い
入学難易度の二極化
大卒資格ではない
進路変更がしにくい
向いている子 地元の短大志望
早く現場に出たい
将来の可能性を広げたい
じっくり進路を考えたい
なりたい職業が明確
技術を極めたい

志望校の「今」を必ず確認する

もしお子様が県内や近県の短大を希望している場合、必ず公式サイトで最新の募集要項を確認してください。「来年度も募集があるか」「定員充足率はどうか」をチェックすることが、これからの学校選びの基本動作になります。
もちろん、在学中に募集停止が決まっても、卒業までの教育環境は保証されるのが一般的ですが、後輩が入ってこない寂しさや、母校がなくなることへの不安は考慮する必要があります。

短大には「短期間で集中して資格を取り、早く地域社会に貢献できる」という素晴らしい価値があります。だからこそ、周りの流言に惑わされず、正確な情報をもとに、「なぜその道を選ぶのか」をお子様としっかり話し合ってみてください。

📚 参考リンク・出典

※ニュース記事の内容は、2025年度時点の動向に基づいています。最新の入試情報は各学校の公式サイトをご確認ください。

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会では、変化する入試情勢に合わせた進路指導を行っています。

「短大か大学か迷っている」「志望校の将来性が心配」など、進路に関するご相談は無料教育相談をご利用ください。プロ教師がお子様の適性と将来を見据えたベストな選択をアドバイスいたします。

担当:プロ教師 近江直樹

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