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「学習態度」を成績から外す意味 〜2030年度教育評価改革が問いかけるもの〜

2025 年 7 月 4 日、文部科学省が中央教育審議会に示した方針は、
私たちが慣れ親しんだ成績のつけ方を根本から揺さぶりました。
学習評価 3 本柱の一つ〈主体的に学習に取り組む態度〉を評定(成績)から外す――
2030 年度以降の新学習指導要領で実施をめざす大改革です。

1. 形式主義への決別

当初、「主体的に学習に取り組む態度」は子どもの意欲自主性を支える
はずでした。ところが現場では、ノート提出の頻度や課題の期限遵守など
外形的な「勤勉さ」にすり替わりがち。
内面を測りにくいため、
評価のための評価が増え、教員の時間も子どもの学びも圧迫されてきました。

2. 個人内評価という新しい視点

改革後、この領域は「学びに向かう力・人間性」に再編され、
個人内評価で把握します。
他者比較をやめ、その子の過去との比較で成長を見守る方式です。
表面的に“良い子”を演じる必要がなくなれば、
子どもたちは本来の好奇心・探究心を発揮しやすくなるでしょう。

3. 懸念される課題と向き合う

  • 学習意欲の維持 ― 評定という外的インセンティブがなくなり
    モチベーションが下がる児童生徒が出る可能性
  • 内申書の扱い ― 高校入試における評価方法をどう再設計するか
  • 教員の意識改革 ― 個人内評価を質的に担保する
    研修・支援体制の整備が不可欠

4. 21世紀型教育への転換点

知識暗記型から資質・能力重視へのシフトは、デジタル化の進む社会で必然。
学期ごとの評定を気にせず失敗から学ぶ環境が整えば、
子どもたちはより主体的・探究的に学べるようになります。

5. 真の個別最適化に向けて

子どもを評定や順位で測る文化から、
一人ひとりの成長を温かく見守る文化へ――。
大人も価値観をアップデートし、2030 年の実施に向け
着実な準備を重ねる必要があります。

形式的な評価を脱ぎ捨て、子ども一人ひとりの可能性を最大限に引き出す新システムへ。
その実現は、私たち大人の学び直し温かなまなざしから始まります。
ともに変化を受け止め、より良い学びの未来を創っていきましょう。

【参照リンク】
・文部科学省 中央教育審議会 資料(2025/7/4)

https://www.mext.go.jp/content/20250704-mxt_shingikai-000006595_1.pdf

・朝日新聞「『学習態度』評定外しへ 2030年度から新指導要領案」

https://www.asahi.com/articles/ASR745TRMR74UTIL03L.html

※掲載リンクには有効期限がある場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。


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担当)プロ教師 近江直樹

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