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山形県内の高校生の就職内定率94.4% 過去10年で最低

「将来の夢は何?」「進路はどうするの?」と尋ねても、お子さんが曖昧な返事ばかりで不安になることはありませんか。「この子にはどんな道が合っているのだろう」と思いを巡らせる親御さんは本当に多いものです。日々の生活の中で、子どもたちの心の成長に寄り添うことは、保護者の皆様にとって大きなテーマだと感じています。

最近、山形県内の高校生の進路に関する気になるニュースが発表されました。「県内高校生の就職内定率が94.4%となり、過去10年で最低になった」というものです。この数字だけを見ると、「仕事が見つかりにくい厳しい時代になったのか」とご心配されるかもしれません。しかし、実態は少し異なります。今回は、このデータから見えてくる現代の高校生の複雑な心理状態と、ご家庭でできる適切なサポートのあり方について一緒に考えていきましょう。

なぜ「求人は豊富」なのに「内定率低下」が起きるのか?

実は、就職内定率が過去最低を記録した一方で、企業の求人は豊富に存在しています。山形労働局の発表によると、この内定率低下の背景には「少子化」や「人手不足による求人の増加」に加え、「進学率の上昇」が要因として挙げられています。つまり、「働き口はたくさんあるのに、あえて就職を選ばず、進学等を選ぶ生徒が増えている」という状況なのです。

この現象を青年期の学習心理の観点から紐解くと、現代の高校生が「モラトリアム(社会に出る前の猶予期間)」を強く求めている状態だと言えます。今の時代は社会の変化が非常に速く、多様な生き方が提示される反面、高校生にとっては「今すぐ一生の仕事を決める」ことへのプレッシャーがかつてないほど大きくなっています。また、脳科学的に見ても、10代の脳は前頭葉(論理的に将来を見通し、計画を立てる部分)がまだ発達の途上にあります。そのため、長期的な見通しを持って大きな決断を下すことが非常に苦手な時期なのです。目の前の求人票を見ても、「本当にこれでいいのか」「とりあえず進学して可能性を広げた方が安全ではないか」と決断を先送りする心理が働くのは、発達の段階としてごく自然なことだと言えます。

進路の迷いを力に変える「家庭でのサポート」の仕組み

では、このような複雑で揺れ動く心理状態にあるお子さんに対して、ご家庭ではどのような言葉をかけ、どう導いてあげればよいのでしょうか。最も大切なのは、「決断を急がせない」ことと、「選択肢を広げるための土台作りを手伝う」ことです。

心理学において、人が自信を持って何かを決断し行動するためには「自己効力感(自分ならきっとできる、という感覚)」が不可欠です。進路に迷い、就職か進学かで立ち止まっている生徒は、自分の適性や能力に対する自己効力感が低下している状態にあります。ここで大人が「早く進路を決めなさい」と急かすと、プレッシャーからますます視野が狭くなり、極端な選択をしてしまう恐れがあります。まずは、お子さんの「迷い」を否定せずに受け止めることが第一歩です。その上で、進学であれ就職であれ、将来どの道を選んでも対応できるように「日々の学習習慣」という揺るぎない土台を作っておくことが重要です。毎日の小さな学習の積み重ねが「自分にもできる」という自己効力感を育み、結果的にお子さん自身が納得のいく進路選択へとつながるメカニズムなのです。

ご家庭で今日から実践できる3つのステップ

お子さんの進路選択を支えるために、今日からご家庭で取り組める具体的な行動をご紹介します。

  • 日常会話の中で「興味の種」を拾い上げるまずは、休日のテレビ番組やスマートフォンの動画など、お子さんが何気なく楽しんでいるものに注目してください。「どんなところが面白いの?」と否定せずに聞いてみましょう。「人を笑わせるのが好き」「細かい作業を見るのが好き」といった些細な会話の中に、将来の職業や学部選びにつながる大切な価値観が隠れています。
  • 進路の選択肢を「仮決め」で複数持たせる「この大学に行く」「この会社に就職する」と一つに絞り込むのではなく、「理系ならこの分野、文系ならこの分野、もし就職するならこういう仕事」と、常に3つ程度の選択肢を親子で一緒に考えるようにしてください。複数の選択肢を持たせることで心に余裕が生まれ、前向きに検討できるようになります。
  • 日々の学習を「将来の切符」として伝える「勉強しなさい」と結果を求めるのではなく、「数学がしっかりできていれば、工業系の仕事を選ぶことも、理系の大学に進むことも、どちらでも自由に選べるようになるよ」と伝えてみてください。学習が「自分の選択肢を増やすための切符」であると理解できれば、自然と学習への意欲が高まっていきます。

保護者の皆様へ

進路選択は、お子さんにとって初めて直面する大きな人生の岐路です。迷ったり、立ち止まったり、意見が二転三転するのは、それだけ真剣に自分の未来と向き合おうとしている証拠でもあります。保護者の皆様も、時にはヤキモキして不安に感じる場面があるかもしれませんが、どうか焦らず、温かい目でお子さんの成長のペースを見守ってあげてください。

私たちKATEKYO学院も、お子さん一人ひとりの個性や目標に寄り添い、日々の学習のサポートはもちろんのこと、進路の悩みも一緒に解決していく心強い伴走者でありたいと願っています。

参考資料

さくらんぼテレビ:山形県内の高校生の就職内定率94.4% 過去10年で最低

FNNプライムオンライン:山形県内の高校生の就職内定率94.4% 過去10年で最低

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KATEKYO学院・山形県家庭教師協会 プロ教師 近江 直樹

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