TOPICS from KATEKYO

  • TOP
  • TOPICS
  • 公立高校「併願制」導入がもたらす衝撃 〜山形県入試の未来と いま私たちにできる準備〜

公立高校「併願制」導入がもたらす衝撃 〜山形県入試の未来と いま私たちにできる準備〜

2025年4月22日、石破茂首相は「公立高校でも複数校を同時に出願できる仕組み(併願制)」の検討を関係省庁へ指示しました。
「一発勝負」だった入試が変われば、受験生の戦略はどう変わるのでしょうか。

1. 併願制は“点数×希望順”で自動マッチング

  • ① 複数出願 … 受験生は第1〜第3志望など順位付きで公立校をまとめて出願。
  • ② 高校側で点数判定 … 各校が〈学力検査+調査書〉で基準を満たした受験生をリスト化。
  • ③ スライド方式 … コンピューターが点数の高い順に席を配分し、はじかれた人は次の志望校へ順次スライド。

◆ 点数つきサンプル:A・B・C 3人の“スライド”

※数字は分かりやすさのための架空例です。実際のボーダーは今後決定されます。

受験生 得点 第1志望 第2志望
Aさん 420 点 山形東〈探究科〉
ボーダー 430 ▶ 不合格
山形東〈普通科〉
ボーダー 410合格
Bさん 360 点 山形東〈普通科〉
ボーダー 410 ▶ 不合格
山形南〈理数科〉
ボーダー 360合格
Cさん 359 点 山形南〈理数科〉
ボーダー 360 ▶ 不合格
山形南〈普通科〉
ボーダー 340合格
● 仕組みを一言で
「より高い点数 × より高い希望順位」が優先。
Aさんは探究科では届かなかったものの、普通科の基準を超えていたため第2志望で確定
Bさんは普通科で弾かれましたが、理数科の基準にピタリ合格。
Cさんは理数科に届かなかったものの、普通科の枠にスライドして席を確保──これが併願制の動き方です。

(首相官邸, 掲載日:リンク)(2025-07-07アクセス)

2. 山形県が抱える定員割れという現実

2025年度一般選抜の志願倍率は0.80倍(定員5,609名に対し志願者4,505名)。
県内の約2割の席が空いている計算です。

(山形県教育委員会, 掲載日:リンク)(2025-07-07アクセス)

3. 併願制が生む3つのメリット

  • ① 受験機会の拡大 … 上位挑戦校と安全校を同時出願できる。
  • ② 定員の最適配置 … 人気集中・定員割れをアルゴリズムで調整。
  • ③ 家計負担の軽減 … 私立「滑り止め」受験が減れば受験料が削減。

4. 見逃せないリスクと専門学科への影響

  • 偏差値序列の固定化 … 人気校へ出願が集中し、格差が拡大する恐れ。
  • 専門学科“滑り止め”化 … 農業・工業など地域産業を支える学科に、本気志望者が入りにくくなる。

(読売新聞, 掲載日:リンク)(2025-07-07アクセス)

5. いま出来る3ステップ

  • 情報収集 … 偏差値+教育内容+進路実績を多角比較。
  • 基礎力強化 … 併願制で競争増を想定し、苦手ゼロへ。
  • 表現力アップ … 面接・作文で「自分の思い」を言葉にする練習。

6. まとめ

併願制はチャンスでもあり新しい競争ルールでもあります。
制度に振り回されず、自分の将来像と適性を軸に高校選択を進める準備を今日から始めましょう。

参照リンク

※全リンクは生成日(2025-07-07)アクセス。リンク切れの際は各機関の公式サイトをご確認ください。

  • (首相官邸, 2025年4月22日:リンク
  • (山形県教育委員会, 2025年2月26日:リンク
  • (読売新聞, 2025年4月23日:リンク


◎KATEKYO学院では、高校入試制度の変化に合わせた個別指導で志望校合格をサポート。
併願制を見据えた戦略的学習プランをご提案します。
担当:プロ教師 近江直樹

「TOPICS from KATEKYO山形」一覧へ

最新のTOPICS

ページのトップへ