TOPICS from KATEKYO

  • TOP
  • TOPICS
  • 大学「年内入試」が変わる——面接必須化で、お子さんに今から伝えたいこと

大学「年内入試」が変わる——面接必須化で、お子さんに今から伝えたいこと

2026年5月27日、文部科学省は全国の国公私立大学に向けて、次年度以降の「大学入学者選抜実施要項」を通知しました。この通知の中で最も注目を集めているのが、秋から本格化する総合型選抜や学校推薦型選抜(いわゆる「年内入試」)における「面接の原則必須化」です。

近年、大学入学者の半数以上がこの年内入試を経て進学していると言われています。一般選抜(ペーパーテスト)の前に進路が決まる年内入試のルール変更は、中高生とその保護者にとって極めて重要なニュースです。今回のコラムでは、なぜこのような通知が出されたのか、それを受けて私立大学がどのように対応していくのか、そして保護者として子どもたちをどうサポートすべきかについて詳しく解説します。

なぜ今、面接が「必須」になったのか?

そもそも総合型選抜や学校推薦型選抜は、ペーパーテストの点数だけでは測りきれない受験生の「学びへの意欲」「深い思考力」「表現力」、そして「高校生活での多様な活動実績」などを多面的・総合的に評価するために設けられた制度です。

しかし近年、一部の大学において、この本来の趣旨から逸脱するケースが目立つようになっていました。具体的には、総合型選抜と銘打ちながら、実質的には国語や英語などの学力試験のみで合否を判定し、面接すら行わない手法です。文部科学省は、これが事実上の「学力による早期囲い込み(青田買い)」になっており、入試の公平性や多面的な評価という本来の目的にそぐわないと問題視しました。

そのため、受験生の人柄や意欲、学習に対する真摯な姿勢を直接かつ丁寧に確認する手段として、面接(対面またはオンライン)の実施を明確なルールとして義務付けることに踏み切ったのです。なお、「時間をかけて丁寧に選抜する」という趣旨を重んじるため、AI(人工知能)を活用した無人面接は認められていません。

私立大学はどう対応する?今後の動向

この通知を受けて最も大きな影響を受けるのが、これまで学力試験偏重の年内入試を実施していた私立大学です。面接が必須となることで、各大学は選抜方法の根本的な見直しを迫られています。

すぐに面接を導入することが物理的に難しい大学(志願者が非常に多い大規模私立大など)に対しては、2年間の猶予期間が設けられていますが、遅かれ早かれ対応しなければなりません。私立大学側としては、膨大な数の受験生全員と個別に面接を行うには、面接官となる教員の確保や日程調整など、多大な労力とコストがかかります。

そのため今後は、従来の個人面接だけでなく、オンライン面接ツールの積極的な活用や、複数の受験生で特定のテーマについて話し合う「集団討論(グループディスカッション)」、あるいは事前に提出した課題に基づいた「プレゼンテーション方式」を取り入れるなど、面接の形も多様化していくことが予想されます。大学側も「いかに効率よく、かつ深く受験生を見極めるか」という試行錯誤を繰り広げることになるでしょう。

中高生の保護者が今からできるサポートと対策

年内入試において「面接」が避けられない関門となる中、保護者としてはどのようなサポートができるでしょうか。最も重要なのは、面接は「付け焼き刃の対策やマニュアルの暗記では通用しない」という点です。

  • 第一に、日常的なコミュニケーションを通じて「自分の意見を言葉にする力」を養うことです。食卓での会話や日々のニュースについて、「あなたはどう思う?」「なぜそう感じたの?」と問いかけ、論理的に考え、相手に伝える経験を積ませることが、最も本質的な面接対策になります。
  • 第二に、子どもの「興味・関心の深掘り」をサポートすることです。面接では必ず「なぜこの大学・学部なのか」「ここで何を学び、将来社会でどう活躍したいのか」が問われます。オープンキャンパスへの参加を促したり、興味のある分野の専門書を勧めたりして、志望理由を自分の言葉で熱く語れるように手助けをしてあげてください。
  • 第三に、学校や塾での面接指導を積極的に活用するよう促すことです。家庭内だけでなく、模擬面接などを通じて第三者からの客観的な評価やフィードバックを受けることは、自己表現力を客観的に磨く上で非常に効果的です。

おわりに:多様な力を伸ばすチャンスと捉えて

今回の文科省の通知により、「とりあえずペーパーテストの勉強だけしておけばなんとかなる」という時代は完全に終わりを告げようとしています。これは一見すると受験生の負担が増えるように思えるかもしれません。しかし見方を変えれば、子どもたちがこれからの社会で必須となる「コミュニケーション能力」や「思考力」「主体性」を、大学入試という目標を通じて大きく伸ばす絶好のチャンスでもあります。

制度の変化を不安に思うのではなく、子どもが自分自身と深く向き合い、将来のビジョンを明確にするための大切なステップとして、前向きにサポートしていきましょう。保護者様の温かい見守りと適切な声かけが、受験生の背中を押す最大の力となるはずです。

参考資料

朝日新聞:大学「年内入試」、今年度は面接必須 文科省通知 一部は2年間猶予

文部科学省:令和9年度大学入学者選抜実施要項(2026年5月27日通知)に基づく最新動向

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会:その他の学習コラムはこちら

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会 プロ教師 近江 直樹

「TOPICS from KATEKYO山形」一覧へ

最新のTOPICS

ページのトップへ