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故事成語の世界へようこそ (四十四) 苛政は虎よりも猛し(かせいはとらよりもたけし)
皆さんは日本に野生の虎がいる(または、過去にいた)かご存知ですか?
現在、日本には動物園のような施設を除けば、虎が自然状態で生息している地域はありません。ただし、数万年前に日本と大陸が陸続きだった時代には日本にも虎が生息していたようです。
中国やロシアには今でも虎が生息している地域がありますので、大陸側から日本まで渡ってきていたのでしょうね。
朝鮮にも虎に関わる逸話は多く残されていて、昔は虎が多く生息していたようです。
さて本日はそんな虎に関する故事成語です。
紀元前6世紀頃の人である孔子が出てくるお話ですので、もう日本には虎はいなくなっていた時代のエピソードですね。
孔子とその弟子達が泰山辺りを通りかかった時、あるお墓の前で一人の女性が泣いていました。
孔子が弟子の一人に命じて、女性に涙の訳を尋ねさせると、女性の家庭では夫の父が虎に食われて亡くなり、そして次には夫が、更に今度は女性の息子までが虎に襲われて死んでしまったと言うのです。
孔子が「なぜそうまでしてこの土地に住み続けるのか」と尋ねると、
女性は「苛政無ければなり(酷い政治がないからである)」と答えたと言います。
苛政(かせい)の「苛」の字は「きびしい、さいなむ」というような意味があります。
「苛酷」「苛烈」「苛虐」のような熟語に使われていますので、悪い意味の漢字なのだなということは伝わるかと思います。
厳しすぎる政治のもたらす害は、虎に襲われて死んでしまう危険と隣合わせの生活よりも酷いということですね。
本日の故事成語:苛政は虎よりも猛し…悪政が人民に与える害は、虎の害よりもはなはだしいということ。
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