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【コラム:山本】「年と年度の違い」(2022.4.1)

「なんで令和4年なのに、令和3年度?」年間予定表を見ながらボソッと呟くHくん。今さら?高校生なのに知らない?実は…生徒たちは意外と知らない「年と年度の違い」なのです。

 

この2つの違いですが、 「年」を使うか「年度」を使うかによって表す期間が異なります。どういう期間で分けるのかというと、年は『1月1日から12月31日までの1年間のこと。(暦年という。)』、年度は『暦年とは異なる区分で定めた期間のこと。』を指します。

 

「年度」をもう少し詳しく説明すると、「暦年(こよみの上の1年)とは別に、事務や会計などの便宜のために区切られた1年間」ということになります。「年度」が表す期間は一定ではなく、暦年と同様1月から始まる場合もあれば、4月から始まる場合もあります。主な「年度」には「会計年度」や「物資年度」などがありますが、このうち日本の会計年度は、4月1日に始まり翌年の3月31日に終わることが法律によって定められています。国や地方自治体の会計年度は、この区分を採用しています。「4月1日 ~ 翌年3月31日」までを事業年度にしている会社の多くは、国等の公的機関に会計年度を合わせた方が都合が良い、との理由があるようです。官公庁へ提出する書類について「年」と「年度」の違いを見てみると、令和4年1月は、「年」では令和4年となり、「年度」では令和3年度となるわけです。

 

他にも「年次」や「年時」という使われ方もあります。

 

「年次」の意味は、主に2つに分けられます。1つは、「1年ごとに順を追うこと」というもので、もう1つは、「年齢の順、長幼の序」というものです。このうち最初の意味では、例えば「年次予算」や「年次計画」などのように使います。この場合は、「毎年」という言い方に買えることもできます。「年度」との違いで言えば、「年度」は「特定の区分となる1年間」を指すのに対し、「年次」は「1年ごとの期間」を表すという点にあります。もう1つの意味合いである「年齢の順」は、学校や会社などで使います。例えば「卒業年次」という場合は、「卒業した年」という意味になりますし、「入社年次」であれば、その人が会社に入った年を示しています。

 

「年時」は、「としつき」という意味と、「そのことが行われた年、月」という意味があります。読み方は「ねんじ」で、「年次」と同じですが、意味合いには微妙な違いがあります。「年次」の場合、上で述べたように「年齢の順番」などを指しますが、「年時」の場合は、「そのときの学年、年月」を指すようになっています。別の言い方をすると、「年次」という言葉が公的な意味合いで使われる表現なのに対し、「年時」はそれ以外の場合に使われる表現と言うことができます。例えば「大学3年次」という場合は、大学の制度上における入学3年目のことを指しますが、「大学3年時」と書く場合は、私的な回想などにおける「大学3年の時」という意味合いになります。

 

このように、学校ではなかなか教えてはくれない、かと言って常識と称して普段の生活で当たり前のように使用されている言語が、身の回りには意外に多いことに気づかされます。そんな時は、「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」と、身近な人に聞いてみましょう。

 

プロ教師:山本一人

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