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故事成語の世界にようこそ(二十一)【国士無双】
第二十一回:「国士無双」
火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!
今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^
今回は「国士無双(こくしむそう)」のお話をします。
今回は、第十三回の「背水の陣」にも登場した韓信(かんしん)という中国の武将に関する故事成語をご紹介したいと思います。
中国の前漢の初代皇帝となった劉邦(りゅうほう)が項羽(こうう)と戦っていた頃のお話です。
韓信は初め、項羽に仕えていました。
しかし項羽のもとでは自分の才能が認められないことに不満を持った韓信は、項羽軍から逃げ出し、劉邦の元へ身を寄せることになるのでした。
劉邦率いる漢軍に合流した韓信は、そこで蕭何(しょうか)という人物に高く評価されます。
蕭何は劉邦の信頼厚い臣下で、彼は何度も劉邦に対して韓信をもっと高い役職につけるように進言しますが、劉邦はなかなかその言葉を理解しませんでした。
そうこうしているうちに、韓信は今度は劉邦軍からも逃げ出してしまいます。
※韓信が軍を逃げ出すのは、自分をもっと評価してくれる君主を求めてのことなのですね。
「自分はこんな所で終わる器ではない」と考えているということなのです。
韓信が逃げ出したと聞いた蕭何は、慌てて韓信の後を追いました。
その後韓信は、追いかけてきた蕭何の説得により漢軍に戻るのですが、戻ってきた二人(というか、主に蕭何)に対して劉邦はどうも納得のいかない様子です。
この時、劉邦は蕭何にこう問いかけました。
「これまで多くの将が逃げたが、お前(蕭何)は追わなかった。お前が韓信を追ったのは嘘ではないのか。」
つまり韓信を追いかけたというのは嘘で、蕭何も漢軍から逃げ出そうとしたのではないかと疑ったのです。
その言葉に蕭何はこのように応えました。
「普通の将ならいくらでもいます(だから逃げても追いかけることはしません)。
しかし、韓信は国士無双(天下に二人といない優れた人物)です。
天下を治めようとするならば、韓信なくして成せるものではありません」と。
このように「国士無双」とは、「一国中に匹敵する者がないほど優れている人」という意味です。
劉邦は蕭何のこの言葉を聞き、韓信を漢軍全てを率いる大将軍に任命したのです。
ちなみに韓信今回出てきた韓信と蕭何にもう一人、張良という人物を加えた三人が、
漢の三傑(さんけつ)と言われています。
本日の故事成語:国士無双
…一国中に匹敵する者がないほど優れている人。
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