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故事成語の世界へようこそ (五十五)無用の用(むようのよう)
今日は中国戦国時代の儒家 孟子(もうし)の教えから、「無用の用」をご紹介したいと思います。
孟子はこんな事を言っています。
「三十本の車輪のやは、その中央で一つの轂(こしき)を共有している。
轂には無(空洞の部分)があることによって車輪としての働きをすることができる。
粘土をこねて器を作る。
器には空洞の部分があることによって器としての働きをすることができる。
戸や窓となる部分に穴をあけて部屋を作る。
部屋には何もない空洞の部分があることによって部屋としての働きをすることができる。
つまり、形あるものが役に立つことができるのは、無(形のないもの)がその働きをしているからなのである」
このように、「無(何もない部分)」という「一見役に立っていないように見える部分」がむしろ非常に大切な役割を果たしていることを孟子は言っているわけですね。
「無用の用」は「不用の用」とも言うのですが、
この「無用」は「有用」の対義語であり、「役に立たないこと」を意味しています。
つまり、無用の用とは、「役に立たないように見えるものがかえって大切な役割をしていること」を表す故事成語なのです。
故事成語はそのもととなった故事や漢字の意味が分かると覚えやすくなるものが多くあります。
興味のある方はぜひ調べてみて下さいね。
本日の故事成語:無用の用…役に立たないように見えるものがかえって大切な役割をしていること
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