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故事成語の世界(七)『五十歩百歩』[中学生-国語]

第七回:「五十歩百歩」

 

第六回:「逆鱗に触れる」はこちら。

 

火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!

今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^-^)

 

今日のテーマは「五十歩百歩」です。

 

読み方は「ごじっぽひゃっぽ」になります。
「ごじゅっぽ」とは読みませんので注意しましょう。

 

この言葉も古い中国のお話が由来しています。

 


昔、ある国に、戦争好きの王様がいました。

 

その王様は、「自分は隣の国よりもいい政治をしているのに、どうして隣の国から自分の国に移り住むものがいないのだろうか」と不思議に思いました。

 

そこで、ある人が王様に言いました。

「王様の好きな戦いの場面に例えてお話します。戦の場で、戦いが始まろうというのに鎧(よろい)を脱ぎ捨てて逃げる者がいます。ある者は百歩逃げてから立ち止まり、またある者は五十歩逃げてから立ち止まります。この時、五十歩逃げた者が、自分が五十歩しか逃げていないとして、百歩逃げた者を笑ったら、いかがでしょうか」

 

王様は、「それはおかしい。その人は百歩逃げていないだけで、また同様に逃げたのだから」と答えました。

 

そこである人「王様がそのことを理解できるなら、隣の国からの移住者を望むことができないことも理解できるでしょう」と言いました。

 

 

つまり、五十歩も百歩も逃げたことに変わりがないのと同じで、王様の政治も隣の国と同じようなものだという訳ですね。
(軽く皮肉を言っている感じですね)

 

この話のように、五十歩百歩とは、「どちらも大差のない様子、特に共に大したことがないこと」に使う言葉なのです。

いい意味では用いられないということも覚えておきましょう。

 

≪例文≫としては、

「私と彼の数学の点数は、どちらもぱっとしない。まさに五十歩百歩である」
「あの二人はいつもお互いの悪口を言い合っているけど、実際は五十歩百歩だよね」
などのようになります。

 

また、似た意味の言葉として「どんぐりの背比べ」というのもありますよ。

 

★本日の故事成語:五十歩百歩

→ともに大したことは無いことをいう例え。

 

 

 

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