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故事成語の世界(五)『杞憂』[中学生-国語]

第五回:「杞憂」

 

火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!

今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^-^)

 

今回は、「杞憂(きゆう)」という言葉のお話です。

 

第四回:「怒髪冠を衝く」はこちら

 

「憂(ゆう)」は憂う(うれう)とも読み、心配することを意味する漢字です。

 

では、「杞(き)」の方は一体何なのでしょうか。

実はこちらは昔中国にあった国の名前なのです。

 

つまり、杞の国の人が心配するという意味で杞憂なんですね。

 

では、杞の国の人は何を心配したのか、読んでみましょう。

 

 

■登場人物みんな心配性


昔、中国に杞(き)という国がありました。

 

杞に住んでいたある人(仮にA君としておきましょうか)が、ある時から天地が崩れ落ちてくることを心配して寝ることも食べることもできなくなってしまいます。

 

また、そのA君が心配しすぎるあまり寝食もできなくなっていることを心配している者(こちらは仮にB君と呼んでおきます)もいました。

 

 

「天が崩れ落ちてきたら、身を置く場所もない」A君は心配で心配でたまりません。

 

B君はそんなA君を、「天は大気の積み重なりだ。(地上では)どこにいっても大気はあるのだから、その重なりである天が落ちることはない。だから大丈夫!」と励まします。

 

 

A君は次は「太陽や月や星が落ちてきたらどうしよう」不安にかられてしまいます。

 

そこでB君はまた理由を述べつつ大丈夫だよと励ますわけですね。

 

 

するとA君はいよいよ「大地が崩れ落ちたらどうしよう…」なんて心配を始めました。

(何がなんでも心配なのですね)

 

しかしB君はそんな心配性なA君を見捨てはしません。

「大地は土が積み重なったもの。(この地上で)土のないところはないから、大地がなくなるなんてことはない。だから大丈夫!」と励ますのでした。

 

 

とうとう不安がなくなったA君は一安心、気分もすっきりしてとても喜びました。

安心したA君を見て、B君も気分が良くなりとても喜んだのでした。


 

このA君のように、心配する必要もないことをあれこれと思い悩んで心配することを杞憂と言います。

単に心配するというだけの意味ではありませんので、その点を間違えないようにしましょう。

 

★本日の故事成語:杞憂

必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労。

 

中学三年生の受験生のみなさん!受験本番であれこれ心配にならないよう、今からしっかり予習復習していきましょう!

 

それではまた来週~(^-^)

 

 

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