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中学校教育が大きく変わる―「総合実習」が育てるこれからの学力とは

「うちの子、スマホは一日中触っているけれど、将来役に立つ力が身についているのかしら…?」塾や部活への送迎中、後部座席のお子様の様子を見て、ふとそんな不安を覚えたことはありませんか。

デジタルネイティブ世代と呼ばれる子どもたちですが、「消費」することには慣れていても、テクノロジーを「創造」や「課題解決」に使う力は、まだ十分とは言えません。実は今、中学校の授業が、その「学んでも使えない」という課題を解決するために大きく変わろうとしています。

なぜ「学校で学んだこと」が実社会で生かせないのか

これまでの技術科の授業では、木材加工、栽培、プログラミングといった各分野が、それぞれ独立して教えられがちでした。これでは、せっかく身につけた知識や技能が、バラバラの「点」のまま終わってしまいます。

学習心理学には「転移(ある場面で学んだ知識を、別の場面でも活用できる力)」という言葉があります。知識が細分化されたままだと、この転移が起こりにくく、日常生活や実社会の複雑な課題を前にしたとき、「どの技術をどう使えばいいかわからない」という状況が生まれてしまうのです。

新設検討中の「総合実習」が目指すもの

中央教育審議会(中教審)では、中学校の「情報・技術科」(仮称)に「総合実習」(仮称)を導入する案が議論されています。2026年4月のワーキンググループで示されたこの案は、単なる授業時間の増加ではありません。バラバラだった知識の「点」を、課題解決という目的でつなぎ合わせ、「線」や「面」にするための改革です。

複数の技術を組み合わせて課題解決に取り組むことで、個別の知識を相互に関連付ける「統合的な理解」と、複雑な課題に対して思考力などを組み合わせて使う「総合的な発揮」の両面から、学びを深めることが狙いです。詳しくは、日経クロステック:中学の情報・技術科に「総合実習」の新設を検討でも詳しく報じられています。

ロボット製作からIoTまで、生きた学びの例

具体的な学習活動のイメージも示されています。例えば、木材加工の授業で作ったプランターに、土の乾き具合を通知するセンサー機能を追加するといった「IoT(モノのインターネット)」の考え方を体験的に学ぶ方法。既習の成果物を活用しながら、新しい技術を融合させる工夫です。

あるいは、防災をテーマに、逃げ遅れた人の居場所を知らせる救助ロボットなどのシステムモデルを、複数の技術(センシング、プログラミング、通信、機構設計など)を横断して製作する方法です。これらは、科学、技術、工学、芸術、数学を統合的に学ぶ「STEAM教育」の視点とも共通しており、社会生活の中で技術を評価し、適切に活用する態度を養うことが期待されています。

保護者が今日からできる「情報の活用力」を育む3つの関わり

学校での学びが変わるのを待つだけでなく、ご家庭でも日常的に「情報を活用して考える力」を育むことができます。以下のステップを参考にしてみてください。

  • 「なぜ?」の裏側にある仕組みを一緒に想像する:
    お店の自動ドアや、ご家庭のスマート家電などを使った際、「どうやって人を感知しているんだろう?」「どういう指示で動いているのかな?」と問いかけてみてください。便利な道具の裏にあるセンサー(計測・制御)やプログラムの存在に気づく第一歩になります。
  • 身近な不便をテクノロジーで解決できないか話し合う:
    例えば「毎日の天気チェックが面倒」「忘れ物が多い」という日常の小さな悩みから、「自動で傘の必要性を教えてくれる仕組みって作れないかな?」「忘れ物をしたらスマホに通知が来るシステムはどうだろう?」と、親子で具体的な解決アイデアを出し合ってみましょう。
  • 失敗を「次の改善のためのデータ」として肯定する:
    総合実習では、一度で正解にたどり着くことよりも、試行錯誤(トライアンドエラー)の過程が重視されます。お子様が何かに失敗した際も、「ダメだったね」で終わらせず、「上手くいかない方法が一つわかったね。次はどこを変えてみる?」と、前向きな分析と改善へと導く声がけを意識しましょう。

未来を創る子どもたちへ

これからの時代に求められるのは、最新の機器を操作するスキルだけでなく、技術の利便性と課題を正しく理解し、より良い社会のために活用しようとする姿勢です。新しい学習内容に戸惑うこともあるかもしれませんが、それはお子様が新しい時代を生き抜くための大切な準備期間でもあります。KATEKYO学院では、一人ひとりの理解度や興味に合わせたマンツーマン指導で、これからの時代に必要な思考力や問題解決能力を育むお手伝いをしてまいります。

参考資料

日経クロステック:中学の情報・技術科に「総合実習」の新設を検討

文部科学省:公式サイト

KATEKYO学院 山形県家庭教師協会:公式サイト

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会 プロ教師 近江 直樹

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