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「情報教育」はどう変わる?次期学習指導要領の改訂ポイントとご家庭でできる備え

「うちの子、タブレットで調べ物をするときもAIや検索の答えをそのまま写していて心配です。」
「ニュースで情報教育が増えると聞いたけれど、これからの学校の授業についていけるかしら。」
日々の学習相談の中で、小中学生の保護者の皆様からこうしたデジタル時代の学びに対する不安の声をよく伺います。

2030年度から順次実施される予定の次期学習指導要領に向けて、中央教育審議会(文部科学大臣の諮問に応じて教育に関する重要事項を調査審議する機関のこと)で検討が進められています。
今回の改訂の大きな柱となっているのが、主に小学校・中学校における「情報教育の大幅な拡充」です。
お子さんの学校生活や学び方がどのように変わっていくのか、ご家庭で押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

なぜ今、情報教育の拡充が求められるのか

生成AIの急速な普及やSNS上の真偽不明な情報、フィルターバブル(自分の好みや過去の履歴に合った情報ばかりが表示され、視野が狭まってしまう現象のこと)など、子どもたちを取り巻く情報環境は大きく変化しています。
検索結果やAIの回答をそのまま書き写して宿題を済ませてしまうといった姿は、大学生や社会人に限らず、小中学生の間でもすでに見られるようになっていると指摘されています。

与えられた情報をそのまま受け取るだけでは、自分の頭で「本当だろうか」「なぜそう言えるのだろう」と根拠を考えるプロセスが省略されがちです。
こうした経験が積み重なると、物事を筋道立てて考える思考力や、文章を深く読み解く読解力が育ちにくくなるのではないかと懸念されています。

だからこそ文部科学省は、情報をただ見るだけでなく、正しく選び取り、適切に使いこなす力(情報リテラシー)を学校教育の中で本格的に育てようとしているのです。

具体的に何が変わる?授業時間と「調整授業時数制度」

今回の改訂案では、小学校3年生以上の「総合的な学習の時間」に新たに「情報の領域」が組み込まれます。
中学校では技術・家庭科から分離され、「情報・技術科(仮称)」が新設される見込みです。
目安として、小学5・6年生では情報関連の授業が年間最大35コマ程度、週1回ペースで増える方向で検討が進んでいます。

「授業が増えて子どもたちの負担が大きくなるのでは」と心配されるかもしれませんが、年間の総授業時間数そのものは増やさない方針です。
特定の教科を削るのではなく、各教科から少しずつ時間を持ち寄ることで情報教育の時間を捻出する考え方が示されています。

あわせて導入が進められるのが調整授業時数制度(各学校の判断で特定の教科の年間授業時数を最大15%程度減らし、生み出した時間を個別学習や探究活動、教員の研修などに活用できる仕組みのこと)です。
これにより、単なる知識の暗記にとどまらず、子ども一人ひとりの理解度や興味関心に応じた柔軟な学習が期待されています。

保護者として知っておきたい3つの視点

前向きな変化が期待される一方で、実現に向けた課題や注意すべき視点も存在します。
ご家庭でも以下の3つのポイントを念頭に置いておくと、学校の動きを冷静に見守ることができます。

  • 教科書の内容や「分量」が本当に精選されるか
    授業時間を柔軟に減らせるようになっても、教科書の分量自体が減らなければ、学校の現場は短時間で多くを教え込むことになります。文部科学省がどこまで教科書内容の精選(本当に必要な内容に絞り込むこと)を進められるかが今後の注視ポイントです。
  • 教員の指導体制と専門性が確保されるか
    情報教育を推進するためには、教員側の専門性や授業準備の時間が不可欠です。現状でも、技術・家庭科(技術分野)など情報関連の授業を正式な免許を持たずに担当している教員は全国で約4人に1人にのぼるとされており、先生方の働く環境の整備や、専門性のある指導体制づくりがどこまで進むかが、制度の実効性を左右します。
  • ご家庭での学習習慣による「学びの差」が出ないか
    学校での探究活動や自由な時間が増える分、家庭での過ごし方やサポート環境によって子どもの成長に差が生じる懸念もあります。家庭でのフォロー体制を意識しておくことが大切です。

今日からできる!ご家庭での3つのサポートステップ

学校の制度が変わる過程にあっても、子どもたちの情報リテラシーを育てる最大の土台はご家庭での日々の会話にあります。
今日から無理なく実践できる具体的なアクションをご紹介します。

  • AIやネット情報の「出どころ」を一緒に確かめる
    子どもが検索やAIの回答を使っているとき、「これって本当かな?他の本や公式サイトでも確かめてみよう」と声をかけます。こうした声かけの積み重ねが、情報を鵜呑みにせずに確かめる「ファクトチェック(事実確認)」の習慣を家庭の中で育てていきます。
  • デジタル機器の利用を「動画の消費」から「発表や表現」に変える
    動画をただ眺めるだけの利用から、「調べたことを家族にプレゼンしてみる」「アプリで旅行の計画表を作ってみる」など、アウトプットの道具として活用させます。能動的に使う経験が情報活用能力を高めます。
  • 「今日疑問に思ったこと」を問いかけ、自己効力感を育む
    「今日学校でどんな面白い疑問が見つかった?」と問いかけ、子ども自身の興味や関心を言葉にさせます。自ら問いを立てて考える経験を認めることで、自己効力感(自分自身の力で課題を解決できるという自信のこと)が育まれます。

変化の時代だからこそ、子どもの「考える力」を温かく見守る

これからの時代を生きる子どもたちにとって、デジタルツールや情報技術は切り離せない存在です。
変化を恐れて遠ざけるのではなく、正しい向き合い方を親子で対話し、失敗を恐れずにチャレンジさせてあげてください。
焦らず一つひとつのステップを積み重ねていくことが、お子さんの確かな成長へとつながります。

KATEKYO学院でも、AIやデジタル技術に頼るだけではない「人と人との対話」を通じたマンツーマン指導で、生徒一人ひとりの深く考える力を育んでまいります。

参考資料

文部科学省:中央教育審議会 教育課程部会 総則・評価特別部会(第10回)配付資料

東洋経済オンライン:次期学習指導要領が”画期的”と評価の声、本当に実現するのか

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会:その他の学習コラムはこちら

KATEKYO学院・山形県家庭教師協会 プロ教師 近江 直樹

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