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故事成語の世界(十六)『破天荒』[中学生-国語]
第十六回:「破天荒」
火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!
今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^-^)
本日のテーマは「破天荒(はてんこう)」です。
このコーナーでは、「科挙(かきょ)」という、中国で昔おこなわれていた官吏登用試験(現代日本でいう国家公務員試験のようなもの)について触れたことが何度かあったと思います。
科挙は大変厳しい試験で、合格率は僅か数パーセントという超難関でした。
「破天荒」という故事成語は、そんな科挙に関係する言葉になります。
昔、唐の時代。
荊州(けいしゅう)という地域は何度も科挙の受験生を送り出していましたが、合格者がまだ一人もいませんでした。
そのため、荊州は「天荒(=未開の地)」と呼ばれていたのです。
そんな荊州から、とうとう皆が待ち望んでいた科挙の合格者が出ました!
人々はそのことを、天荒であった状態を打ち破ったとして「破天荒」として褒めたたえました。
このように、「破天荒」という故事成語は、元々は「それまで誰もなし得なかったことを成し遂げること。前例のないこと」という意味の言葉なのです。
そのため、「破天荒な人」というような言い方は、実は誤った使い方です。
正しくは「破天荒な記録」「破天荒な偉業」のようになりますので注意しましょう。
★本日の故事成語:破天荒
…それまで誰もなし得なかったことを成し遂げること。前代未聞。
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