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読解力を確認してみよう[中学生-国語]
以前に、将来好きな仕事をしたいなら「読解力」が大事だと書きました。
「私は大丈夫!」と思っているあなた!
確認してみましょう!
■例題:五厘刈りを探せ!
次の文章を読んで、確実に正しいと言える文章を①~⑦からすべて選びなさい。
A高校の野球部員で五厘刈りをしているのは全員一年生だ。
①A高校の野球部の一年生は全員五厘刈りだ。
②A高校の二年生に五厘刈りはいない。
③A高校の野球部の三年生は全員スポーツ刈りだ。
④A高校の野球部には一年生以外に五厘刈りの部員はいない。
⑤A高校の野球部員で五厘刈りを見かけたら、それは一年生だ。
⑥A高校で五厘刈りを見かけたら、それは野球部員だ。
⑦A高校の野球部一年生のY君は昨日五厘刈りにしてきた。
■解答・解説
①は、五厘刈りを集めて学生証を確認したら全員一年生だっただけで、そうでない一年生の存在は否定できません。
②は、A高校全体を指しているので、断言できません。サッカー部や柔道部にいるかも知れません。
③は、部の規定でもしかしたらそう指定されているかもしれませんが、ツーブロック、EXILE風も否定できません。
⑥は②と同様ですね、サッカー部や柔道部にいる可能性は否定できません。将棋部も。
⑦は、そもそも元の文では時期のことには触れていません。昨日でも今日でも来週でも好きな時に刈ればいい。
正しいと言えるのは、④と⑤ですね。
簡単でしたか?
選択肢が多すぎて読むのが面倒でしたか?
ついつい作りすぎてしまいました。
■社会に出ると、意地悪で長~い文章がたくさん待っている
先の例文は私が作成しましたので、大したことはない文章ですが、社会に出ると複雑な文章がたくさんあります。
勤務先の作業マニュアルや就業規定、車を買った時の任意保険の補償内容の文章、家を買うときには重要事項説明書、各種契約事には契約書が付いてきます。
その多くが、(私にとっては)ややこしい文章で分かりにくく書いてくれているのです。
でも、正しく読めていなければ、正しい作業もままならず、必要な保険に加入できず、欠陥住宅を買ったりする可能性があるわけです。
だから、文章を(先ずは日本語かな)を正しく読んで理解できることは、日本で生活していくにはとても重要な能力なのです。
その重要性は、極端な話、鎌倉幕府がいつ成り立ったかだとか、三角形の面積を求めるよりも遥かに高いと感じています。
大人になって、「あの時頼朝がんばったよねー」などと鎌倉幕府の成り立ちを友人と語ったことなどありません。室町幕府もそうです。
何か重要な三角形が目の前にあって、どうしても面積を求めなければいけなかったこと、これもないです。
不要だとは言っていませんよ、いつかきっと必要な時があるのです!多分。
それよりも、「普段営業職で休みの日くらいは人と話したくないから、今日は家に引きこもってノートークデーにしよう。もしコンビニに行ってもレジで絶対話さない。」などという人以外はほぼ毎日するであろう、会話や文字を読んだときに、それを正確に理解できる力=読解力の方がはるかに使用頻度も高くて重要だよね、という話です。
■読むんじゃない、理解するんだ
Dさん「この保管容器、電子レンジでチンしたら溶けて形歪んじゃったよ!説明書に電子レンジがダメなんて書いてないじゃん!」
店員「お客様、電子レンジについての記載はございませんが、説明書には”耐熱温度80℃まで”と記載がございます。」
Dさん「あれ~?あ、そういうこと~?」
電子レンジにかければ水分が沸騰(100℃に達する)することもある、すなわち80℃を超えることはもちろんあるのは予測できますよね。
この場合は、説明書は読んだが、内容を理解できていなかったわけですね。
そして、この方は「言われれてわかった」のでしょうが、結局は自分一人ではわからなかったわけです。
ところで、「言われればわかる」、「解説を見ればわかる」時々聞きます。
・・・相手はわかるように言って(書いて)いるので当然ですよね。
人に言われなければ、解説を見なければ、わからなかった事実を受け止める勇気、持とう!
と、以上のように、ただ読んだことと、読んで理解できたことは全く違うのです。
だから、ただ読むのではなく、理解することが大事です。
ブルース・リー風に言えばこうなります。
「Don’t read, understand!」
■日本国憲法
[日本国憲法 前文]から一部抜粋しましたのでぜひ一度読もうとして具合悪くなってください。
日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
「この」「その」の連発です。
どれ?なんのこと?結局、なに?
このような文章が皆さんの未来にもたくさん待ち構えています。
・・・読解力、身につけよう!
[矢来踏切横丁となり]
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