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故事成語の世界へようこそ(二十五) 呉越同舟
第二十五回:「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」
今回は「呉越同舟」のお話です。
聞いたことはあるけれど、意味はよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。
是非この機会にまた一つ、故事成語を覚えてみてくださいね。
時代は中国の春秋時代。皆さんご存知の秦の始皇帝の時代より少し前の時代ですね。
現在の上海を含む地域に「呉」の国が、それより南には「越」の国がありました。
呉と越はお互いに非常に仲が悪く、よく戦いを繰り返していたので、その二国の仲の悪さは
他の国の人もみな知っている程でした。
『孫氏(そんし)』という書物にも、この呉と越が登場し、次のように書かれています。
呉と越の人々は、互いに互いを憎んでいる。
しかし、呉の国の人と越の国の人が同じ舟に乗り合わせ、河を渡ることになったとしよう。
そこに激しい風が吹いてきたら、両国の人々はどうするだろうか。
彼らはまるで左右の手のようにお互いに協力し合い、助け合うのである。
この例え話によって『孫氏』は、「そんなに仲が悪い人々であっても、共通の利害関係にあったり、同じ困難を乗り越えるためには結束するものである」ということを言っているのです。
このように、「呉越同舟」は「仲の悪い者同士、または敵味方が同じ場所に居合わせること。
また、反目し合いながらも共通の困難や利害に対して協力し合うこと」の意味で用いられます。
本日の故事成語:呉越同舟…仲の悪い者同士が同じ場所に居合わせること。また、敵味方が共通の困難や利害に対して協力し合うこと。
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