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新・我が家の本棚 Ⅰ 【豊かなこころ編】
新・我が家の本棚 Ⅰ 【豊かなこころ編】
今回より「我が家の本棚」あらため「新・我が家の本棚」として再スタートします。
「新」ではありますが取り上げる本は少し古め、自分が若い頃に読んでいたものを中心にと思っております。
時代や古さを感じるものや年月を経ても色あせないものなどさまざまと思いますが、本選びの参考にしていただいたり懐かしく思い出していただいたりと、皆さまに楽しんでいただければ幸いです。
新シリーズ最初は
【魔法の糸 編著者 ウィリアム・J・ベネット 訳者 大地 舜 実務教育出版】です。
1997年に初版が発行されています。表題作『魔法の糸』の他、選りすぐりの短編(寓話・説話・逸話)が[自己規律][同情][責任感][友情][仕事][勇気][忍耐][正直][忠誠心][信仰心]の10のコンテンツで100話集められており、総ページ数670ページ、辞書並の厚さの1冊です。
ギリシア神話、イソップ物語、O・ヘンリーの小説、グリム童話など、時代を超えて読み継がれる数々の物語がまとめられています。
ただの物語として読み進めるも良し、その時の気分でコンテンツを選択するも良し、何かに迷った時や苦しい時の解決のヒントを探すも良しと思います。
そして『人生で一番大切なことってなんだろう?』『この本は教育のための本ですが、追憶の本でもあるのです。』『…この本は勇気を鼓舞する本であって欲しいと思います。』との編著の言葉にあるように、ひとつひとつのお話を通して人の心の深層と道徳観に触れ、自分自身が「徳」についての理解を深めるとともに、物語を伝えるという形を借りて子どもたちに「徳(道徳)とは何か?」を間接的に教えていく、読み聞かせにも適した本と思います。
小さな子どもには難しいところもありますが、お話を選びゆっくりていねいに読み聞かせ、難しい言葉も易しい言葉に言い換えてあげることで、子どもは想像力を働かせて自分なりに解釈し、その中で「大切な何か」を得てくれると思います。
わたしも自分の子どもたちにいくつか読み聞かせたことがありますが、「どういうこと?」という疑問に一緒に向き合うことで自分自身の深い理解につながった経験があります。
子どもの気持ちを知ることもできました。
学校での「道徳」が「特別の教科 道徳」となったこんにち、その必要性や重要性を理論的にではなく子どもたちが肌で感じることは大切なこと。
他の教科のように教えられ練習して身につけるものばかりではないからこそ、また、物語が作られた時代とは大きく変化した生活環境であってもこころの豊かさの根底には変わらぬところがあるからこそ、読み継がれてきた物語の存在は大きいと思います。
~工藤先生より~
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