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我が家の本棚Ⅹ 【ショート編③】

前回のショート編はアルセーヌ・ルパンでしたが、今回はルパン同様トリックに強い「神父」が活躍する推理小説、
【チェスタトン ショートセレクション ブラウン神父 呪いの書】(金原瑞人 訳 ヨシタケシンスケ 絵 理論社)
をご紹介いたします。
作者のチェスタトンは生まれた時とても頭が大きく、医者に「この子は天才になるか、大ばかになるか、どちらかだ」と言われたそうです。記憶力抜群で天才に育ち美術にも文学にも興味を持ったチェスタトン。
ブラウン神父を主人公にした短編は50以上残し、映画やTVドラマにもなったそうです。この本には数々の優れた短編の中から、表題の『呪いの書』のほか『世の中でいちばんおそろしい犯罪』『クレイ大佐のサラダ』『消えたアーサー・ヴォードリー卿』『透明人間』の5編が収められています。
『どれも思いがけない結末が待っています。』そう訳者あとがきにある通り、読み終えた後の何とも言えない爽快感、満足感がたまりません。いったいどういうことなのだろうと考え考え読み進め、自分なりに結末を予想してみるものの、なかなかうまくまとまらない。『謎が解けた瞬間、誰もがはっとする』これもその通りと思いました。
『この書を見たものには恐怖の風が吹く』
『思うに、いちばん難しいのは、0+0+0=0を人に納得してもらうことです。』
『…うそつきだけをみないでください。たまにでいいので、正直な人も見てください…』
『…小さなできごとの積み重ねは、案外とおそろしいものだな。』
『呪いの書』からの引用です。あまり細かく取り上げると読んだ時の面白みがなくなってしまいますので、このくらいでやめておきます。
推理が好きな方、得意な方、ぜひブラウン神父と(チェスタトンと)謎解き力を競ってみてはいかがでしょうか。
~工藤先生より~

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