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故事成語の世界(六)『逆鱗に触れる』[中学生-国語]

第六回:「逆鱗に触れる」

 

火曜日恒例、故事成語の世界へようこそ!

今週も中学生に覚えてほしい故事成語をご紹介します(^-^)

 

 

今回は「逆鱗(げきりん)」という故事成語についてお話します。

 

第五回:「杞憂」はこちら

 

これは今でも「(誰々)の逆鱗に触れる」のようにして使われる言葉ですね。

 

鱗の字は「うろこ」とも読みます。
つまり、逆鱗とは、「逆さになった鱗」ということですよね。

鱗と言うと、魚?そして逆さって?

 

 

■怒りすぎでは・・・


この故事成語は、韓非子(かんぴし)という中国戦国時代の思想家の言葉から来ています。

韓非子はこう言いました。

“そもそも龍という生き物は性格が従順で慣らすことができ、その背に乗ることもできる。

しかし、龍の喉(のど)の下には逆さに生えた逆鱗という鱗がある。

この逆鱗に触れてしまうと、龍は必ずその人の命を奪うのである。”

 

鱗は、龍の鱗だったのですね。
そして韓非子によると、龍って穏やかな生き物なのですね。
しかし逆鱗に触れてしまえば、その龍であったとしても怒り狂ってしまう。

 

ちなみにこの文章には続きがあります。

 

“君主にもまた同様に逆鱗がある。

君主を説得しようとする者が君主の逆鱗に触れずに意見を述べることができるならば、説得の成功は目前である。”

 

つまり、龍=君主という訳ですね。

 

君主の逆鱗を上手く避けて君主を説得することが重要であるというお話です。


 

現在、「逆鱗に触れる」という言葉は「目上の人の気持ちに逆らって怒りを買う」という意味で使われています。
例えば、

「いたずらをしたことが母の逆鱗に触れた」

「姉が大事に取っておいたプリンを食べて、姉の逆鱗に触れてしまった」

のような感じですね。

 

このように、言葉を覚える時にはその言葉を使った例文も合わせて覚えるとより効果的ですので、みなさんもぜひ実践してみて下さいね。

 

 

★本日の故事成語:逆鱗に触れる

―君主の怒りを受けること。目上の人の気持ちに逆らって怒りを買うこと。

 

 

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