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我が家の本棚Ⅵ 【ショート編②】

今回は、推理物を好んで読んでいて、映画のルパン三世シリーズが好きな息子にもきっとおもしろいに違いないと選んだ1冊、【ルブラン ショートセレクション 怪盗ルパン謎の旅行者】(平岡敦 訳 ヨシタケシンスケ 絵 理論社)です。モーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパン・シリーズの数多くの短編から、表題となっている「謎の旅行者」ほか、「赤い絹のショール」「塔のうえで」「秘密を明かす映画」がおさめられています。
『そりゃたしかに、ぼくは切れ者ですがね』
『ゆすり屋あつかいされては困ります。ぼくは名誉のために働いているんですから』
『冒険のない人生なんて生きるに値しません。』
『愛する女性のためなら、なにもためらってはいけません。我が身を犠牲にして、この世にある美しいものすべてを、喜びや幸福を捧げねばならないのです。(中略)
…わくわくするようなすばらしい冒険を用意してあげねば。感動のあまり笑い出すような
……ときには涙ぐむような冒険を』
ルパンらしい言葉と思います。自信に満ち、ユーモアもあり、情も深い。ルパンでなければ言えない言葉、受け入れるのにためらってしまう言葉とも言えるでしょうか。
自身の逃走のために利用することになった女性と警官への気遣い、まんまと騙された宿敵でありまた友であるガニマール警部への走り書きの手紙、それらも、とてもルパンらしいと感じるものでした。
『どんな出来事も意のままに操り、戦うべき敵や守らねばならない味方の運命をもてあそぶ』アルセーヌ・ルパンの「ひととなり」がとてもよくあらわれた一節と思います。
ルパンの知力、勇気、洞察力、行動力、確信を持った推理力に感動し、魅力的なアルセーヌ・ルパンの世界にひきこまれ楽しめる、そして他の作品もぜひ読みたいと思わせる、そんな1冊でした。
~工藤先生より~

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